【SS】平安サイバーパンク

目が覚めると、招かれた家とは明らかに違う、木造の家にいた。
「遠氣月似奈良例真下」
「えっ?なんて?」

声をかけてきた人は困惑の表情を浮かべる。
なんだ?日本語のようで日本語でないなにかを話されたが、全くわからない。
とりあえず、首を縦に振っておいた。
「猛逝野出須加?」
疑問形だろうか。これも、首を縦に振っておいた。

外へ出て、見上げるほどの摩天楼が目についた。そこへ行かねばならない気がした。
世話をしてくれた人にお礼にお菓子らしきものを渡し、摩天楼へ歩みを進めた。

先ほどと打って変わって、都会、都市部へやってきた。
タワーの麓まで到着すると、どうやらただの観光施設のようであった。

「aGVscCBtZQ==」
「44Gf44GZ44GR44Gm」
「ぃでたうでちすの」

ここも異世界だからか、彼らがなにを話しているのかわからなかった。
「あの世界で魔王だけが日本語を話していた」
そんなことを思い出しながら、タワーの受付でジェスチャーをしてどうにかチケットを買えた。

【屋外展望台】
そこに魔王がいた。
「b1e6c03e86619d93148aa62a2a00cdfcdbbe6c7b8a98c94fa56da9bf000cb13d12df55c5c759c1f2e2af83fd76c227dd21cc6d7225682589e0c02db994b8b517」
視界が閃光で満たされた。

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